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書評 プロのための Linuxシステム・10年効く技術 / あなたは読みこなせますか?

  • 2012-06-22 (金) 15:05
  • Linux

シリーズ3作目 読みこなすには前著2冊で解説された知識が必要。

技評さんから、プロのためのLinuxシステム シリーズ3冊目の『 10年効く技術 』 を送って頂きました。
※ 本エントリーの最後に 詳細目次 を掲載しています

まずは今の自分が読みこなせる部分をということで各章ざっくり読んだところですが、それぞれ1冊の本になりそうなテーマが多く、いろいろかっ飛ばした(汗)解説になってます。 これだと初心者レベルではキツそうだなと思いつつ読み返していると…

《はじめに》より引用

これまでにも「プロのためのLinuxシステム」と題する2冊の書籍を出版させて頂きましたが、本書は少し色合いが異なります。先の2冊は、幸いにも「わかりやすくて充実した内容」との声をいただいていますが、体系的な学習を意図したために「現場テクニック」や「いざというときのための知識」を割愛せざるを得ませんでした。そこで今回は、教科書的な体裁は二の次にして、初級~中級のLinuxエンジニア向けに、筆者自身の生の声で、さまざまなLinuxシステム構築/運用の秘訣を伝授することにしました。

改めて読み進むと、このポリシーを強く感じさせられたのが第2章。 「仮想化でここまでできるインフラ環境構築」 というタイトルで前半はKVM上の仮想ネットワークと仮想サーバーを使い、基本となる小規模な企業でのイントラネット向けと思われるDNSサーバーとメールサーバーの構築。後半はさらにHAクラスターの構築と擬似障害テストへと進みます。

この2章前半での解説ページ数は約38ページ。前提知識はKVM、postfix、bind の技術書3冊分(汗)。 実際に同様の環境を構築した経験があれば別ですが、結構きびしいペースですね。 がしかし、こんなメッセージが…

この後の各節では具体的な環境構築の手順も示していますが、自信のある方は(あるいは、自信がない方こそ)、まずは自分自身が正しいと思う手順で環境構築を行なってみてください。自らの頭と手を動かしながら、失敗の中で1つでも多くのことを学ぶ姿勢が大切です。誰もが一度は経験する失敗はいろいろあります。本番プロジェクトで失敗するよりも、先に「素振り環境」で失敗しておくほうがよいに決まっています。

そう、確かに本で読んだ知識であれ、ネットで調べた情報であれ、自分のサーバー環境で試し、作り込むまないと活用できるモノにはなりません。
また、このKVMでの「素振り環境」構築ノウハウは postfix や bind を使わない場合でも、例えば iptables のフィルタリング設定や mysqlのチューニングなど、いきなり本番環境で試せないことを気兼ねなくできる開発環境を手に入れられるので、さまざまな応用が効きます。
※ FedoraやUbuntuの新しいバージョンも virt-clone で!

ということで、この本を手にとって 分からないコト を調べ、自分のサーバー環境で試行錯誤を重ねる実行力があれば、スキルアップは間違いないでしょう。

今回書評を書いた最新書です。
プロのための Linuxシステム・10年効く技術

シリーズ1冊目 10年効く技術1章の前提本
プロのための Linuxシステム構築・運用技術

シリーズ2冊目 10年効く技術2章の前提本
プロのための Linuxシステム・ネットワーク管理技術

P.S.
著者の中井さんからコメント頂きました!

出版社の書籍ページよりも さらに1階層詳しい 詳細目次( ↓ )もどうぞ。

Linuxシステム・10年効く技術 詳細目次

第1章 知らないと損するぞ! 押さえておきたいLinux内部構造

    1.1 Linuxの基礎は,ディスク,プロセス,メモリ
    1.2 ディスクとファイルにまつわるあれこれ
		1.2.1	ディスクのジオメトリ
		1.2.2	古くて新しいパーティションテーブル
		1.2.3	ファイルシステムとI/Oサブシステムを考える
    1.3 プロセスを制するものはLinuxを制する
		1.3.1	forkとexecはプロセスの分身と変身
		1.3.2	ジョブ制御のあれこれ
		1.3.3	パイプラインで素早いデータ処理
    1.4 一歩踏み込んだメモリ管理の世界へ
		1.4.1	物理メモリの配分を見る
		1.4.2	メモリの割り当てち解放
		1.4.3	コンテキストスイッチとページテーブル

第2章 仮想化でここまでできるインフラ環境構築

    2.1 インフラエンジニアの成長は日頃の素振りから
    2.2 Linux KVMで仮想ネットワーク三昧
		2.2.1	仮想ネットワークの構成と仮想マシンの構築
		2.2.2	DNSサーバーの構築
		2.2.3	メールサーバの構築
    2.3 HAクラスタの素振りも仮想マシンで実現
		2.3.1	HAアドオンを理解する
		2.3.2	ホストLinuxの準備と仮想マシンの構成
		2.3.3	HAアドオンの導入と構成
		2.3.4	HAクラスタ設計・運用の心構え

第3章 10番勝負! 自作スクリプトでコマンド活用

    3.1 シンプルで効果的なシェルスクリプトを目指して
    3.2 シェルスクリプトの基本ルール
		3.2.1	シェルスクリプトの動作確認
		3.2.2	引用符の使い方
		3.2.3	条件判断の書き方
		3.2.4	配列と位置パラメータの使い方
		3.2.5	コマンド置換と数値演算
    3.3 シェルスクリプトで勝負!
		3.3.1	[1番勝負] 踏み台サーバで学ぶ秘伝~基本パターン+例外処理
		3.3.2	[2番勝負] 分散シェルで学ぶ秘伝~基本パターン+パイプライン
		3.3.3	[3番勝負] プロセス監視で学ぶ秘伝~状態遷移を扱う
		3.3.4	[4番勝負] 秘伝番外編~単純パッチはmakeに任せてみる
		3.3.5	[5番勝負] 擬似スナップショットで学ぶ秘伝~パイプラインでログを操る
		3.3.6	[6番勝負] クラウド・バックアップで学ぶ秘伝~思考実験で処理の流れを組み立てる
    3.4 Perlスクリプトで勝負!
		3.4.1	[7番勝負] 自動執筆でPerlを楽しむ
		3.4.2	[8番勝負] 自動TweetでPerlの便利さを体感
		3.4.3	[9番勝負] プロセス監視でforkをマスターする
		3.4.4	[10番勝負] 最終奥義?! Perlとパイプラインの連携

第4章 最後の砦! カーネルソースを読む

    4.1 ソースコードを読書する?!
    4.2 カーネルソースの歩き方
		4.2.1	Linuxカーネルのビルド手順
		4.2.2	カーネルソースの探索入門
		4.2.3	構造体とポインタを読みこなす
    4.3 主要サブシステムを探索する
		4.3.1	プロセス管理サブシステム
		4.3.2	メモリ管理サブシステムとの出会い
    4.4 カーネルソース解析の実例
		4.4.1	カーネル内部のシステム時刻
		4.4.2	うるう秒発生の瞬間
		4.4.3	さらなる探求に向けたガイド

第5章 一歩先を行く! RHEL6新機能の総まとめ

    5.1 コモディティ化するハードウェアを支える「進化するOS」
		5.1.1	ext4ファイルシステムの採用
		5.1.2	NetworkManagerサービスの導入
		5.1.3	dracutによる初期RAMディスクの作成
		5.1.4	anacronによる定期ジョブ実行
    5.2 サーバ起動処理を変革するUpstart
		5.2.1	Upstartの概要
		5.2.2	Upstartジョブの作成例
    5.3 Control Groupsでリソース配分をコントロール
		5.3.1	Control Groupsの概要
		5.3.2	各サブシステムの主要パラメータ
		5.3.3	cgコマンド群による管理
		5.3.4	仮想マシンに対するcgroupsの操作
    5.4 LXCでコンテナ型仮想化技術を体験
		5.4.1	コンテナ型仮想化技術の概要
		5.4.2	コンテナによるWebサーバの起動
		5.4.3	その他のコンテナ設定

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